外部リソースを組み合わせる──小規模法人のDX的本部構築

小さな法人こそ“本部を持つ”べき理由

「うちは小さい法人だから、まだ本部なんて必要ない」
──そう話す経営者の方ともお会いしてきました。逆に、「本部をつくりたいけど、大きくはしたくない」と仰る方もいます。
しかし、実際に複数の施設を運営し始めると、必ずどこかで「情報が散らかる」「誰も全体を見ていない」という課題に直面します。

小規模法人にこそ、“軽量な本部”が必要です。
そして、いまの時代はすべてを自前で持たなくても、本部はつくれる
キーワードは「DX的本部構築」──外部リソースとクラウドを組み合わせ、機能で支える考え方です。


DX的本部とは何か

DX(デジタルトランスフォーメーション)は、単にシステムを導入することではありません。
DX的本部とは、人の知恵とデジタルを融合させて、法人全体を“つながる仕組み”に変えること。

以下の3つの要素が基本構造です。

  1. データの一元化
     勤怠、人件費、稼働率、採用情報などをクラウドで統合。
     本部と現場がリアルタイムに同じ数字を見られる仕組みをつくる。
  2. 知識の共有化(ナレッジベース)
     マニュアル・手順書・トラブル事例をNotionやGoogle Workspaceで管理。
     現場が「検索すれば答えがある」状態を整える。
  3. 外部パートナーとの連携
     人事・採用・広報・研修などを部分的にアウトソース。
     内部負担を軽減しつつ、専門性を取り込む。

外部リソース活用の現実解

「外注するとコストが上がる」という声もあります。
しかし、本部機能を内部で全て抱え込む方が、結果的には高くつくことが多い。

たとえば──

機能外部活用の例内製化との比較
人事制度設計弊社のような専門コンサル経営者・事務長が兼務し、更新が止まる
採用支援RPO・求人記事制作代行広報未経験者が場当たり対応
広報・ブランディングnote・HP記事制作支援SNS更新が月1回で止まる
DX導入クラウド連携・Notion設計Excel管理が続き、属人化

部分的な外部化によって、法人は“考える時間”を取り戻すことができます。


小さく始めるDX的本部

DX的本部は、一気に完成させるものではありません。
最初は“紙をなくす”だけでも立派な前進です。

ステップ例:

  1. 紙とExcelを洗い出す(勤怠・出席簿・評価表)
  2. 共有フォルダを整える(Google DriveやNotionで階層統一)
  3. チャット・カレンダーを共通化(LINEから脱却)
  4. 情報の更新責任者を決める(誰が何を管理するか)

ここまでで、本部の“情報の背骨”ができます。
DXの目的はツール導入ではなく、「同じ情報で会話できる状態」をつくることです。


外部と内部のハイブリッドで「進化する法人」へ

Live aliveでは、福祉法人の本部構築を外部伴走型で支援しています。
制度・人事・DX・広報などを切り分け、必要な部分だけをアウトソース。
法人が少しずつ自走できるよう設計するのが特徴です。

外部リソースを上手に使えば、“本部がない”法人でも本部機能を持てます。
組織のサイズではなく、つながりの設計力こそが、これからの経営を決める時代です。

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