■ はじめに
「うちの法人は、人が定着しない」
「結局、人間関係の問題なんだよね」
福祉業界でよく耳にする言葉です。
確かに、人間関係が原因で辞めるケースはあります。
しかし、離職の背景を“人間関係だけ”で片づけてしまうと、本質的な改善は見えません。
この記事では、福祉法人の現場でよく見られる離職要因を科学的に5つに整理し、
どのような手が打てるかを考えていきます。
■ 1. 構造的ミスマッチ(役割・業務量・配置)
- 採用時の説明と実際の業務のギャップ
- 過剰なシフト、休めない勤務体制
- 資格や経験に合わない配置
対策:
・ジョブディスクリプション(職務内容の明文化)
・定期的な業務負荷のモニタリング
・採用段階から“現実の働き方”を伝える
■ 2. 意義の不明確さ(仕事の意味を感じられない)
- 「何のためにやっているのか」が見えない
- 目標設定が曖昧で、成果が分からない
- 貢献が評価されない
対策:
・ミッションや理念を“現場レベルの行動”に落とし込む
・小さな成果を見える化し、称賛する文化づくり
■ 3. 成長機会の不足
- OJTだけで終わる
- スキルアップ研修が形骸化
- キャリアパスが不透明で、将来像が描けない
対策:
・キャリア面談の定期化
・学びを支援する制度(外部研修や資格補助)
・中堅・管理職への昇格要件を明示
■ 4. 組織風土と心理的安全性
- 相談できる雰囲気がない
- ミスを責める文化がある
- 意見を出しても反映されない
対策:
・心理的安全性を参考にしたチーム作り
・上司が“話を聴く時間”を確保する
・職場懇談会や1on1を制度化
■ 5. 外部環境要因(報酬・制度・働き方改革の遅れ)
- 他法人と比べて給与が低い
- 報酬改定の影響をマイナスで受けやすい
- 働き方改革が遅れていて、柔軟性がない
対策:
・人事評価制度と昇給テーブルの見直し
・法人間のベンチマーク調査
・DXやシフト改善ツール導入による負担軽減
■ まとめ
離職を「人間関係」だけで片づけてしまうと、再現性のある対策は打てません。
構造・意義・成長・文化・外部環境という5つの観点から原因を分析することで、
初めて組織的な改善が見えてきます。
また、上記の課題を全て同時進行で解決することは難しいです。一つひとつ、丁寧に改善していくことが大切です。
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