「人が来ない…」の前に。採用にSWOT分析という視点はあるか?


「求人を出しても応募がない」「良い人がなかなか来ない」
このようなご相談を、私たちは多くの福祉法人様からお受けします。
そのたびにお聞きするのが、
「地域の中で、自法人がどのような立ち位置にあると認識されていますか?」という問いです。

実は、採用においてこそ、SWOT分析の視点がとても重要になります。


採用に、なぜSWOT分析?

SWOT分析とは、以下の4つの視点で自法人を整理する手法です。

  • Strength(強み)
  • Weakness(弱み)
  • Opportunity(機会)
  • Threat(脅威)

多くの法人様が「求人票の書き方」に悩まれていますが、
それ以前に、自法人の強み・弱みが整理されていなければ、何をどう伝えるかも定まりません。

求職者は複数の法人を比較しながら応募先を選びます。
その中で、「うちはこういう強みがある」「ここはまだ課題だが、改善に取り組んでいる」という姿勢が伝わるかどうかは、採用結果を大きく左右します。


自法人を“わかっていない”まま採用をしていませんか?

私たちがこれまで支援してきた法人様でも、以下のような状態に陥っているケースが多く見られました:

  • 強みが抽象的:「アットホームな職場です」といった、どの法人でも使える表現にとどまっている
  • 弱みを認めない:給与や人員配置などの課題を「触れない方がいい」と思ってしまう
  • 外部環境に無関心:近隣法人の動き、新規参入、待遇改定などを把握していない

こうした状態では、せっかくの魅力も、うまく伝わらずに終わってしまいます。


採用向けSWOT分析の観点

以下のような観点で、自法人と地域の状況を整理してみることをおすすめします。

区分観点の例
強み(S)小規模で家庭的/ベテラン職員の安定性/育成体制が丁寧
弱み(W)給与水準が地域平均より低い/ICT化が遅れている/駐車場が狭い
機会(O)子育て世代の地元回帰が増加/新卒採用に前向きな専門学校との関係強化
脅威(T)民間大手による高待遇求人/周辺に新しい法人が次々と開設/介護業界との人材奪い合い

このように“見える化”することで、自法人ならではの打ち出し方が見えてきます。


実際の活用方法

採用にSWOT分析を導入する際には、次のようなステップが有効です:

  1. 現場職員・中堅層も含めたワークショップ形式でSWOTを作成
     → 意外と現場が強み・弱みを一番よく知っていることがあります
  2. 近隣法人の採用情報・待遇などをリサーチし、比較表を作成
     → 求職者目線での“相対的な自法人”を把握
  3. 求人票や説明会で伝えるべき要素を再設計
     → 「なぜうちを選ぶのか」が明確になる
  4. 面接トークや見学時の案内ポイントもSWOTに基づき構築
     → 採用担当者の説明力も上がります

Live aliveでは、採用支援の中にSWOT分析を組み込んでいます

私たちLive aliveでは、求人票の添削や面接支援だけでなく、
その前段階としての「採用戦略の見直し」からご一緒する支援を行っています。

特に、「法人の魅力がうまく伝わらない」「職員が採用に協力的でない」といったお悩みには、
SWOT分析を起点とした組織内対話の機会が有効です。

自法人を、外からどう見られているか──
その視点を持つことで、採用は変わります。


おわりに

応募が来ない。定着しない。
それは「求人票が悪い」以前に、「自法人の強みや立ち位置を伝えられていない」のかもしれません。
Live aliveでは、福祉法人様の採用課題に寄り添い、共に考えるパートナーとして支援を行っています。
「SWOT分析を一緒にやってみたい」
「法人の魅力を整理し直したい」
そうしたご相談があれば、どうぞお気軽にご連絡ください。

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