1. 導入|年功序列でうまくいっていた頃
ある福祉法人では、長年、年功序列と現場経験の積み上げによって、 自然なキャリアパスと信頼関係が築かれてきました。
福祉の仕事は「経験」がものを言う場面も多く、 「◯年やってきたから、◯◯ができるようになる」 という“暗黙の成長ルート”が確かに存在していました。
だからこそ、経営層も制度導入には慎重でした。
「これまでうまくいっていたものを壊す必要があるのか?」 「評価制度は“上下関係”を強めてしまうのでは?」「何を見て判断するのか?」
そんな不安の声も少なくなかったのです。
2. 問題提起|組織の“高齢化”と“勢い不足”
しかし、日本の多くの企業がそうであるように、福祉法人も組織の年齢構成が変わりはじめていますよね。
- 経営層や中堅層が60代・70代にさしかかり
- 若手職員の入職が少なくなり
- 価値観の違いから離職者も目立ち始めた
ここで出てきたのが、
「ベテランの経験は尊重したい。でも、“次の世代”が育たない」 「成果を出している若手が報われない構造を変えたい」
という“現場と制度のずれ”でした。
3. Live aliveが支援した導入前の実態
実際に私たちが関わった法人では、 制度導入前に以下のような“困りごと”が蓄積していました:
- 昇格・昇給が「年数ベース」でしか語られない
- 面談は業務報告だけ。育成の視点がない
- 若手が「頑張っても報われない」と感じて辞める、辞めることを考え始めている
- ベテランも「何を基準に評価していいか分からない」
これは、制度の“有無”というより、 組織の中に「言葉」と「構造」が足りていない状態だったのです。
4. 解決の視点|年功を否定せず、実力を“見える化”する制度設計
Live aliveが行ったのは、「年功序列を壊す制度」ではありません。
- 経験年数や貢献も評価項目に反映
- でも「役割を担った」「提案をした」「後輩を育てた」など 実力や行動も“定性的に”見えるように設計
- 昇給や昇格の基準も、“年数+貢献”のハイブリッドに
その結果:
- ベテランは「経験が言語化された」と納得
- 若手は「頑張りに光が当たる」と実感
- 管理者は「どう育てるか」が明確になった
5. まとめ|「評価制度=序列」ではない
制度導入とは、 「今までを否定すること」ではありません。
「今ある強みを言語化し、次世代へと引き継ぐ装置」にすることです。
Live aliveは、福祉現場の“経験を活かしながら、実力も可視化する” そのバランス設計を支援しています。
コメント