評価が“言葉の整理”になるとき

1. 導入|評価制度は、苦手ですか?

「評価って、何をどう見たらいいのか分からない」 「点をつけるって、なんだか上から目線な気がする」「そもそも頑張っていない人なんていないのに、差をつけようとする面談は難しい」

福祉現場では、こうした声をよく聞きます。 実際、Live aliveに寄せられる相談でも、 “評価制度”に対する苦手意識はとても根強いと感じます。

でも私たちは、こう考えています。

評価制度とは、“言葉を整理する道具”でもある。


2. 問題提起|“なんとなくの評価”が職員を迷わせる

現場でよくあるこんなやり取り:

  • 「この人は頑張ってると思う」
  • 「なんか最近調子悪そう」
  • 「真面目だけど、ちょっと頼りないかな…」

——こうした主観は、悪いことではありません。 でも、それが評価基準になると、職員は戸惑います。

  • 何をしたら評価されるのか分からない
  • 同じ行動でも、人によって受け取り方が違う
  • 頑張っても、伝わらない
  • 直近だけ頑張ると印象が良くなる気がする

評価制度の目的のひとつは、 “何を大切にしているのか”を組織として言葉にすることです。


3. 解決の視点|評価項目は“対話のための言葉”にできる

Live aliveでは、評価制度の導入・改善支援において、 “点数をつけること”よりも、 “言葉を整えること”を重視しています。

例:評価項目の変換

  • 「協調性がある」 → 「相手の立場を踏まえて発言・行動している」
  • 「主体性がある」 → 「上司に言われる前に提案・行動している」

ポイント

  • 評価項目を“行動”で定義する
  • 抽象語を“その職場の文脈”に落とし込む
  • 面談時のフィードバックが具体的になる

これにより、上司と職員が“見ているもの”が一致します。


4. 実際にあった事例

ある法人では、評価項目を

  • 「抽象語(理念的)」
  • 「行動例(現場でのふるまい)」
  • 「面談の問い(対話フレーズ)」 の3層構造で整理しました。

結果、

  • 面談時に「どうしてそう感じたか?」を説明できるようになり
  • 職員も「何が期待されているか」を具体的に理解できるようになりました

評価の“公平性”は、点数の厳密さではなく、 「言葉の共通理解」によって生まれるのです。


5. まとめ|評価は、組織の“言語化トレーニング”でもある

評価制度は、“裁く仕組み”ではありません。 それは、「私たちは何を大事にしているか」を整える行為です。

言葉が整うことで、育成も対話も変わります。 Live aliveは、評価制度を「言葉を整える仕組み」として再設計し、 現場に届く制度運用をご支援します。

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