「育てる」と「評価する」は違う行為である

1. 面談の目的が曖昧になると、現場は混乱する

福祉現場でよくある声:

  • 「評価面談のつもりだったのに、育成の話になった」
  • 「育成のつもりで話していたのに、結局査定っぽく終わった」

面談の目的が明確でないと、職員は「何を話せばいいのか分からない」ままになります。 この状態では、本音も出なければ、育成も評価も中途半端に終わってしまいます。


2. 「評価する」とは、“ズレ”を確認する行為

評価とは、職員の行動や成果を「事前に定めた期待・基準」と照らし合わせて確認する行為です。

  • 成果が期待にどれだけ近づいているか?
  • 行動は基準を満たしているか?

ここには、一定の“測定可能性”や“再現性”が必要です。 だからこそ、評価には「枠組み」と「公平性」が求められるのです。


3. 「育てる」とは、“可能性”を引き出す関わり

一方、「育てる」は、今ある行動や成果を超えて、 その人がこれからどんな成長を遂げられるかを共に探る関わりです。

  • 興味・関心はどこにある?
  • どんな場面で意欲を発揮している?
  • 本人の「こうなりたい」は何か?

ここに必要なのは、**“問いかけ”と“観察”と“信頼”**です。

育成は、「今」を見るというより、「これから」を信じる行為です。


4. 両者を分ける“視点”と“時間軸”

視点評価育成
時間軸過去〜現在現在〜未来
対象行動・成果意欲・資質・可能性
関係性測定・確認支援・対話
必要な力基準の理解と説明力問いかけと傾聴のスキル

5. まとめ|面談の目的を“明確に分ける”ことが第一歩

これまで述べたように、今、どの時間軸で対話しているのかを整理しておくことが大切です。それが混雑してしまうと部下側も混乱しやすくなりますし、何より上司自身も上手く伝えられていないことを実感すると思います。

Live aliveが支援する法人では、 評価面談と育成面談の目的と構造を明確に分ける設計を行っています。

  • 評価=ズレを明確にして、次の行動を定める
  • 育成=可能性を共に探り、成長を支援する

この視点の違いを理解するだけで、現場の対話は大きく変わります。

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